「にいちゃん、ちょっとどいてくれんか」
言われてハッとする。
「あ、すんません」と言いながら右側へ移動し、エスカレーターの通り道を開ける。
横を通り抜けて移動する人の背中を見ながら呟く。
「そうか、大阪やったな…」
ご存知かも知れないが、関東はエスカレーターの右側を開け、大阪ではその逆を開ける。
東京で働いている年数が多くなり、大阪に帰省した時にそのクセが抜けず通行を邪魔したという形だ。
いつもは親の関西弁を実家で聞いて帰省を実感するのだが、今年はこんなハプニングで実感するとはなぁ、と一人苦笑いするオッサンでした。